年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
私がかつてを思い出しながらしみじみと語れば、夫人は眩しい物でも見るように、目を細くして、緩く首を振った。
「……なにをおっしゃるの。リリア様は最初から、愚かなどではありませんでしたよ。あなたは愚かの意味を間違えているわ」
「ゴードン伯爵夫人?」
夫人はそっと私の手を解くと、寝台を離れて寝室の奥へと移動する。そうして長窓の前で立ち止まると、朱色のベルベット地に、裾に沿って金糸で豪奢な刺繍が施された重厚なカーテンを引く。
次いで現れた繊細なレースのカーテンも夫人の手で引かれれば、この五カ月ですっかり馴染んだ景色が寝台に伏す私の目にも飛び込んでくる。
「これをご覧になって。ここからは、先の政変などまるで感じさせない豊かな街の姿が見てとれるでしょう?」
夫人の言葉通り、睥睨する王都に先の政変の痕跡はまるでなく、いっそ不可解なくらい整っていた。
「はい、とても豊かで……。私の目には、なんだか逆に豊かすぎるようにも映ります」
「……なにをおっしゃるの。リリア様は最初から、愚かなどではありませんでしたよ。あなたは愚かの意味を間違えているわ」
「ゴードン伯爵夫人?」
夫人はそっと私の手を解くと、寝台を離れて寝室の奥へと移動する。そうして長窓の前で立ち止まると、朱色のベルベット地に、裾に沿って金糸で豪奢な刺繍が施された重厚なカーテンを引く。
次いで現れた繊細なレースのカーテンも夫人の手で引かれれば、この五カ月ですっかり馴染んだ景色が寝台に伏す私の目にも飛び込んでくる。
「これをご覧になって。ここからは、先の政変などまるで感じさせない豊かな街の姿が見てとれるでしょう?」
夫人の言葉通り、睥睨する王都に先の政変の痕跡はまるでなく、いっそ不可解なくらい整っていた。
「はい、とても豊かで……。私の目には、なんだか逆に豊かすぎるようにも映ります」