年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
 一際存在感を放つ教会の尖塔は、びっしりと施された金細工が、遠いこの場所からでも分かった。王都の中心を南北に走る中央通りは、一級品のスレート材を敷き詰めて舗装がなされ、豪華絢爛の一言に尽きる。風雅に整う中央公園の庭園造りは、わざわざ東国の技術者を呼び寄せて、大枚をはたいて造らせた物だと学んだ。
「えぇ、これらは七年間の前王統治時代の負の遺産よ。一所に財を集中させれば、それ以外の場所にしわ寄せがいくのは道理。そして彼の王の失態は、地方からの搾取にとどまらない……」
 ゴードン伯爵夫人の視線の先を辿り、王都の先、地平線の彼方に視線を移す。
「自らが治める大地を自らの手で焼き払うなど、とても正気の沙汰じゃない。それでも民は、歯を食いしばって生きるしかない。……民にとって、無能が王位に就くほど悲惨な事はないわ」
 先の王によって焼け野原に変わり、今まさに復興途中にある故郷を思えば、自ずと目に熱いものが溜まった。
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