年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
「夫人はスコット子爵より五つ上の姉さん女房だった。今回、風邪から肺炎に発展したのが死因にはなったが、俺達と最後に顔を合わせた頃を境に、急激に体力が衰えていたそうだ。夫人は最期に自身の口で、自分は大往生だったと語ったらしい。家族とリリアの幸福を願いながら穏やかに逝ったそうだ」
 決して、見て見ぬ振りを選んだ訳ではなかった。
 ただ、私はその可能性を信じたくなかったのだ……。
「……セラヴィンさん、実を言うと、私には心の片隅で予感がありました」
 私は手を伸ばし、ナイトテーブルから手紙を取り上げると、セラヴィンさんに差し出した。
「これは……!」
 手紙を受け取ったセラヴィンさんは、スコット子爵夫人の名前を見つけると、目を見開いて私を見た。
「スコット子爵夫人からの最期の言葉です。セラヴィンさん、よかったら……」
 セラヴィンさんは重く頷くと、丁寧に封筒から便箋を取り出して素早く目線を走らせた。
 読み終えたセラヴィンさんは、あらゆる感情が入り混じる目をしていた。
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