年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
「この手紙が届いたのは、昨日の夕方だそうです。病床のスコット子爵夫人が、綴ってくれました。これが本当に、最期の贈り物です」
「素晴らしい宝物をもらったな」
 セラヴィンさんはそう言って、私の手にそっと宝物を握らせた。
「はい、本当に……」
 これまで私は、幾度となくスコット子爵夫人から心尽くしの贈り物を貰ってきた。それらはいつも、その時々の私がもっとも必要としている物だった。
 そして最期の最期に、夫人はこんなに素敵な宝物を私に遺して逝ってしまった……。
「……もう、私は何をもらわなくたっていいんです。もう一度、スコット子爵夫人に会いたい。一目会って、お礼が言いたいです」
 叶わぬ事と知りつつも、心に巣食う思いを言わずはいられなかった。
「すみません……、馬鹿な事を言って」
「リリア……、俺はそうは思わん」
 セラヴィンさんは私の言葉を、優しく否定してみせた。
 そうしてセラヴィンさんは、ゆっくりと続ける。
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