年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
「なぁリリア、命あるものにはいつか終わりが訪れる。だが、その終わりは決して悲しむばかりではない。思う心がある限り、リリアの心の中にはいつまでもスコット子爵夫人が鮮やかな存在感で生きている」
 語られる一言一句が、じんわりと心の中に沁み渡る。
 私は以前にも、思った。
 ……きっと、セラヴィンさんは魔法使い。そして私は、セラヴィンさんが掛ける優しさの魔法に包まれる。
「スコット子爵夫人を思う心がある限り、リリアはいつだってまた彼女に会える」
 セラヴィンさんの声に誘われるように、そっと瞼を閉じてみる。そうすれば、スコット子爵夫人の微笑みが鮮やかに浮かび上がった。
 私はスコット子爵夫人に心からの感謝を告げた……。
 ふんわりと、私の頭上にレースが掛けられた感触がした。実際にレースを掛けてくれたのは、セラヴィンさんの手だ……。
 だけど私は瞑った瞼の裏側で、眩い微笑みを浮かべたスコット子爵夫人の手で、レースを掛けてもらっていた。
「セラヴィンさん、嫁ぐ花嫁の風習をご存知ですか?」
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