年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
男性の反応を怪訝に思いつつも、床に力なく投げ出されたその右手に、少し強引に水袋を握らせた。
「……リリア、なのか? ……いや、まさかそんなわけがない。俺はきっと、毒で頭をおかしくしているのだ」
男性は手の中の水袋に目線を落とすと、緩く首を振りながら何事か呟いた。
「どうしたの? もしかして傷が痛むの? ……ええっと、ちょっと失礼するわね」
小さな呟きの内容は聞き取れなかったけれど、心配になった私は一言断りを入れて、外套の留め具に手を掛けた。
「お、おい!」
少し焦ったような声を聞く。しかし、毒に蝕まれた男性の動きは緩慢で、私が留め具を外す方が早かった。
留め具が外れ、肩に掛かる外套がハラリと滑り落ちた。
「っ、酷い怪我じゃない!」
負傷箇所は一目瞭然だった。筋骨隆々の逞しい左腕が矢じりを受けて抉れ、生々しい傷口からは今も止まらぬ血が流れていた。
予想よりも深い傷に驚くと同時に、広範囲に血が付着する傷口周辺を清めるには汲み置きの水だけでは心もとなく感じた。
「……リリア、なのか? ……いや、まさかそんなわけがない。俺はきっと、毒で頭をおかしくしているのだ」
男性は手の中の水袋に目線を落とすと、緩く首を振りながら何事か呟いた。
「どうしたの? もしかして傷が痛むの? ……ええっと、ちょっと失礼するわね」
小さな呟きの内容は聞き取れなかったけれど、心配になった私は一言断りを入れて、外套の留め具に手を掛けた。
「お、おい!」
少し焦ったような声を聞く。しかし、毒に蝕まれた男性の動きは緩慢で、私が留め具を外す方が早かった。
留め具が外れ、肩に掛かる外套がハラリと滑り落ちた。
「っ、酷い怪我じゃない!」
負傷箇所は一目瞭然だった。筋骨隆々の逞しい左腕が矢じりを受けて抉れ、生々しい傷口からは今も止まらぬ血が流れていた。
予想よりも深い傷に驚くと同時に、広範囲に血が付着する傷口周辺を清めるには汲み置きの水だけでは心もとなく感じた。