年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
 シャープな頬に、すっきりと鼻筋の通った高い鼻、秀でた額には本来の輝きを取り戻した淡い金髪が影を落とす。そうして同色の長い睫毛に縁どられた目は、宝石より一層輝くブルーグリーン。
 目の前の男性は、息をのむほどに美しかった。私は精悍な美貌を見つめたまま、すっかり言葉をなくしていた。
「……」
 その時、私の脳裏に懐かしい故郷の情景が浮かび上がる。そこでは、セーラが男性とよく似たブルーグリーンの目を細め、微笑みを浮かべていた。
「どうかしたか?」
「……い、いえ! なんでもありません」
 訝しげに問われ、慌てて答えた私の声は、裏返っていた。
「桶と手ぬぐいはここに置かせてもらうぞ」
「はい」
 毒から回復し、すっかり精気を取り戻した男性に、手当てをしている時には感じなかった落ち着かなさを覚えていた。
 どうしようもなく心が騒いだ。
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