年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
「俺はセラヴィンだ。今回はお前の勇気に助けられた。……だが、見ず知らずの男に、誰彼構わず安易に手を差し伸べるのは危険だ。優しさを見て、それを付け入る隙と捉える輩もいる。不用意に優しい態度を取るのは諸刃の剣だ」
 桶と手ぬぐいを置くと、男性は……いや、セラヴィンさんは私に向き直り、含めるように告げる。
 澄んだブルーグリーンを見つめながら、私はセラヴィンさんが口にした「誰彼構わず」という言葉に内心で首を傾げていた。
 怪我をして苦しんでいたのが彼でなかったら、果たして私は同じように手を差し伸べていただろうか……?
「……次から気をつける事にします」
 自分自身よく分からない内心の思いを言葉で表す事は難しくて、結局私は曖昧に微笑んで頷いた。
「それからセラヴィンさん、私はリリアといいます」
 私が名乗った瞬間、ブルーグリーンの双眸がやわらかな光を帯びて煌き、口元は甘やかに綻んで弧を描く。セラヴィンさんはゆうるりと天を仰ぐと、万感の篭る目で遠く一点を見つめた。
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