年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
 そうして私に視線を戻した時、彼の顔には蕩けるような笑みが浮かんでいた。その笑みの眩さに、ドクンと胸が跳ねる。体温が一気に、上がったように感じた。
「……そうか、リリアか」
 セラヴィンさんは一言一句噛みしめるみたいに、私の名前をゆっくりと反復する。
 結ばれた音は、耳に慣れ親しんだ、私の名前だ。だけどセラヴィンさんが紡ぐ私の名前は、まるで別物みたいに優しい響きだった。
 これまでとはかけ離れた甘やかな笑みと態度。驚くと同時に、私はセラヴィンさんの突然の変化に戸惑っていた。
「リリアはここの領に住んでいるのか?」
 セラヴィンさんはほどなくして満面の笑みを収めたけれど、醸す空気がこれまでとは段違いに柔和になっていた。同様に眼差しからも出会いがしらのような険が消え、今は包み込むように優しい。
「住んでいるのは領主館です。義理ですが、スチュワード辺境伯が父なので」
 セラヴィンさんの変化に心がざわつく。胸はずっと、常よりも速い鼓動を刻んでいた。
「そうか、それでか……」
「え?」
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