年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
 怖いくらいに真剣な眼差しが、「ひとつ」という一語に篭めた言外の重みを伝えていた。私は逸らす事のできぬまま、強い光を宿すブルーグリーンを見つめていた。
 突然、セラヴィンさんが弾かれたように私から視線を外した。彼の纏う空気は一転し、鋭く張り詰めた物へと変わる。
 ……なに? 一体、なにが起こったの?
「大丈夫だ」
 セラヴィンさんは困惑する私の耳元で囁くと、腰から短剣を引き抜いて、戸口に向かって構えた。
 私は状況がまるで分からないまま、前に立つ広い背中を見つめていた。

 ――カサッ。

 耳が草を踏む小さな音を捉え、私はやっと、小屋に近づく第三者の存在に気付く。
 ……もしかして、毒矢を射た人物がセラヴィンさんを追いかけてきたのだろうか!?
 だとしたら、見つかれば無事では済まない! 全身に脂汗が滲み、緊張で喉がカラカラになって張り付いた。
 外から微かに聞こえてくる話し声に、ジッと耳を澄ました。
「本当にリリアだったのか?」
 ……っ!? うそ、どうして……!!
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