年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
 ――ドサッ。
 お義父様の呻き声と、直後に床に倒れ込む音がした。
 ゆっくりと瞼を開けば、まず目に映ったのはセラヴィンさんの逞しい背中だった。僅かに目線を移せば、セラヴィンさんがその手に短剣の柄を突き出すようにして握っているのが目に入った。
 そこから更に目線を落としていくと、お義父様が床に白目を剥いて昏倒していた。それを見て、お義父様の脅威が、セラヴィンさんの手で遠ざけられた事を知る。安堵に胸を撫で下ろし、ずっと詰めていた息を吐き出した。
「お前はこれまで、こんな状況で日々を過ごしていたのか!?」
 突然、セラヴィンさんが私を振り返って叫んだ。その目は、激しい怒りに燃えていた。
「……ええっと、自室には鍵もありますし、使用人の配置は把握しているので一人にならなければ大丈夫ですよ?」
「馬鹿な事を! これが大丈夫なわけがあるか!!」
 遠回しな私の返答に、セラヴィンさんは肩を戦慄かせた。
「やはり一年を待たず、俺と……っ! だめだ、それではお前の安全が保障できないっ!」
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