年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
 私の問いかけに、しかし空は答えない。天国の父もまた、私に答えてはくれない。
 私は物言わぬ青空からそっと視線を逸らした。




 馬車の揺れに身を委ね、車窓から移ろう景色を眺める。
 馬車が走り出してから、私はずっと車窓の外に視線を貼り付けていたが、それは単に景色が見たいというのが理由ではない。
「屋敷では主が首を長くして、今か今かと到着を待ち詫びているでしょう」
「……そうですか」
 煩わしい使者との会話を避ける為に、私はわざとそうしていた……。
「いやはや、それにしても我が主は果報者だ。いえね、私は主とは乳兄弟で、同年なんです。しかし、その女房に関してはえらい違いでございます」
 悪い人ではないのだろうが、使者の老爺は聞きたくもない内容をペラペラと語る。
「私はと言えば、古女房が家政をしきって尻に敷かれっぱなし。本当に参ってしまいますよ」
 馬車に乗り込んで早々に、私はその多弁に辟易したのだが、使者は構わずに道中ずっとしゃべり通しだ。
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