年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
 だけど今、セラヴィンさんという絶対的な存在が、大きな愛と温もりでもって、私をすっぽりと包み込む。
 今この瞬間は、胸の中で奔流みたいに迸る愛おしい感情が、お母様への後ろめたさも、お父さんの遺言への使命感も、すべてを押し流して洗う。
 私はまっさらな心でただ、セラヴィンさんとの相愛に酔いしれた。


***


 ついに、ここまできた。俺は明日、リリアを迎えにいく――。
 浮き立つ心を抑えつつ、この日も俺は政務机に向かい、朝から終わりの見えない政務に励んでいた。
 長窓から影を落としていた西日が地平線に沈み、夜の帳が下りる。
 ――カタン。
 ランプに油を注ぎ足し、侍従が王の間を退室した。その物音で、俺の集中の糸が途切れた。
「……もうこんな時間か」
 朝から碌に休憩も取らず、既に数時間、同じ体勢を維持したまま決裁書類を読み耽っていた。意識すれば、バキバキに凝り固まった体が痛んだ。軋む肩首を回しながら、朝から温め続けた玉座の上でグッとひとつ伸びをした。
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