年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
 俺は約束通り、一年という期間の中で叔父上から王位を奪還した。リリアを呼び寄せたいその一心で、俺はこの場所まで駆け上がったのだ。
 ……リリアを迎え入れる環境は整った!
 見上げた夜空に、記憶の中の六歳と十四歳、ふたつのリリアの微笑みが浮かび上がった。

 ――コン、コンッ。

「俺だ、入るぜ」
 振り返れば、幼少時からの側近で、今はニルベルグ王国軍の将軍を務めるルーカスが、俺の返事を待たずに扉から顔を覗かせた。
「いよいよ明日だな。今晩は祝い酒といこうじゃねぇか」
 ルーカスは俺に向かい、気安い様子で手にした酒瓶と二脚のグラスを掲げてみせた。
「なかなかいい酒じゃないか」
 政務机を立ち、ルーカスと共に奥の応接ソファに腰を下ろす。
「だろう? 俺の秘蔵の一本だが、今日ばかりは特別だ」
 ルーカスは言葉通り、持参したグラスに一級品のワインをなみなみと注いでいった。
「ところで、アントニオの具合はどうだ?」
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