年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
 叔父ルドモントの起こした謀反により、国王だった父が討たれたのは、俺が九歳の時だ。当時、父は病床に臥せって久しく、側近らによって三歳年長の兄への譲位の準備が進められていた。ルドモントの強行は、兄への譲位が後数日と迫った時だった。
 王太子である兄は謀反の第一報と同時に王宮を離れ、側近らと共に八歳の俺が静養した西岸の湖沼地帯に身を潜めた。潜伏の情報を得たルドモントは、湖沼地帯の三つの街村に火を放つ暴挙に及んだ。それにより兄は死に、リリアとの思い出の地は焼け野原に変わった。
 俺は父の最側近であったルーカスの父、アントニオの手引きでなんとか王宮を脱したのだが、そこからは地獄のような逃亡生活が始まった。
「おかげさんで、もうすっかり元通りだ。今朝なんかはお前に対して、風邪くらいで登城禁止をくらわせるとは何事か、年寄り扱いするなと癖ってたぜ」
「そうか」
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