年の差婚で娶られたら、国王陛下の愛が止まりません
 予想だにしない返答に、俺は唖然としてルーカスを見返した。
 ……俺が可愛い、だと?
「おいルーカス、冗談も休み休み言え。俺は奴に何度殺されかけたか数えきれんぞ」
 鍛錬と称し、真剣で悪鬼のような漲る気迫で切りかかられた時は、本気で死を覚悟した。事実、当時の刀傷は全身の至る所に残っている。
「なにより毒を体に慣らす訓練では、アントニオの指示で増量のペースが速められ、生死の間を彷徨ったのだからな」
 俺は物心ついた時には、王太子である兄と二人兄弟だった。しかし元々は兄の上に、更に二人の兄がいたらしい。二人の兄は対外的には病死となっているが、実際は、物証こそないもののルドモントに盛られた毒で死んだというのが、側近らの共通認識だった。
 それらの教訓を受け、兄と俺には幼い頃から毒を体に慣らす訓練が施されていたのだ。
「ははっ! そう言えば、そんな事もあったな」
「……とはいえ、そのおかげでリリアと出会えたのだがな」
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