溺愛したがるモテ男子と、秘密のワケあり同居。
でも。


「……うん、大丈夫です……」


そんなに素直に謝られたら、私だってそう言うしかなくて。


「……とにかく、俺の部屋にはもう入んないで」


「わかりました……」


今のは一体何だったんだろう……。


混乱したまま、私は永瀬くんの部屋を出た。





あのあと香織さんから聞いた話によると。


永瀬くんは起きるとき、一番最初に手に触れたものを抱きしめるクセがあるみたい。


私に伝えようとして、伝えそびれたらしいけど。


それ、一番最初に言ってくれないと!


「ごめんね~」


なんて、のんきに香織さんが笑うから、私も一緒になって笑ったけど、笑える話じゃないよ~。


女ギライな永瀬くんだって、私にそんなことしたくないよね?


「やっぱり小春ちゃんにお願いするのはダメよね。明日からは私が起こすわ」


そう言ってくれて、心底ほっとした。
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