同居中のイケメン幼なじみが、朝から夜まで溺愛全開です!
「昼休みを過ぎても綾乃が戻ってこないから、変だと思って今野に聞いたの」
5限目の授業が終わったあと、柚は今野くんの話でわたしが今野くんの代わりに司書当番をしていたと知ったらしい。
「誰にやられたの?」
ようやく口を開いた千景くんが、そっとわたしの手を取った。
「…………」
言うまで納得しないといった感じの力強い表情。
だけどわたしの指を絡め取る手は、繊細なガラス細工を扱うかのように優しい。
「男の人……派手な感じの」
「男……?」
怪訝に眉をひそめて、嫌悪感たっぷりに歪められる顔。
「名前はわからないけど……」
電話してた声から、原田っていう名前が出た……。
『うまくやったよ〜!』って、そう言ってた。
きっと繋がりがあるんだと思う。
だけど──。
わたしが言ったって原田さんが知ったら、もっとひどいことをされるかもしれない。