求婚蜜夜~エリート御曹司は滾る愛を注ぎたい~
(そっか……私は事故に関係なかったんだ)
考えてみれば今更着信について聞いて来るのも、遥人にとって、結衣がどんな存在かが表れている。
その事実が錘のように心に沈んでいった。
それから直ぐに仕事が溜まっているので先に戻ると言い、ひとりで席を立った。
(疲れたな……)
休憩をして残業に備えるはずが、余計に疲れが蓄積してしまった。
今でも遥人が好きだ。気付けば彼を目で追っているし、どこにいても存在が気になっている。
でも話す度に傷ついてしまう。決して遥人が悪い訳ではないけれど、次々に知る事実に心が悲鳴を上げている。
彼に誤魔化しの嘘を言い続けるのにも、嫌気がさしていた。
(ここで働くのも限界かな)
仕事と恋愛は別だと思って来たけれど、どうやら自分は上手く割り切ることの出来ない性格らしい。
逃げるようで嫌だけれど、転職について真剣に考えるべきなのかもしれない。
(終わった恋は忘れて新しい生活をした方が、幸せになれるよね)
自席に着き仕事の続きをしながら、そんなことを考えていた。