求婚蜜夜~エリート御曹司は滾る愛を注ぎたい~
彼は遥人と同じく建築士だ。背が高く筋肉がついたがっしりしたスタイルをしているが、顔立ちが童顔なので、可愛らしく親しみやすい印象がある。

横浜ホテルの案件は担当していないものの、彼が新入社員の頃事務手続きなどでフォローする機会が多かったため、結衣にとっては遥人と白川についで話しやすい相手である。

ただ最近は業務で関わる機会が減っていたから、まともに話をするのは久しぶりだ。

「瀬口から話いってますよね?」

「うん。忘年会の件だよね?」

菅原はしかめっ面で頷く。

「ちょっと打合せしたいんですけど、今大丈夫ですか?」

「今から? 分かった、ちょっと待って」

いきなり打合せとは驚いたし、仕事は詰まっているので時間に余裕はないが、菅原と時間を合わせる手間を考えると、今済ませてしまった方がいい。

作成途中だったデータを保存して、ノートパソコンを持ち席を立つ。

部内の打合せコーナーが空いていたので、そこで話すことにした。

パーテーションで囲まれた四人掛けのテーブル席に向かい合わせに座る。

途端に菅原がうんざりしたような溜息を吐いた。

彼からしても結衣は話しやすい相手のようで、ときどき取り繕うのを忘れるようだ。

「瀬口って勝手ですよね。忙しいのはみんな同じなのに、水島さんに幹事を押し付けるなんて」

それは結衣も思っていることだけれど、ここで同調すると梓の悪口で盛り上がってしまいそうなので、やめておく。
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