求婚蜜夜~エリート御曹司は滾る愛を注ぎたい~
「普通に聞いても無理だよ。菅原君の個人的な知り合いの店とかない?」

「ないですねー」

即答だった。

「私は一軒、心当たりがあるから聞いてみる。そこが無理なら地道に探すしかないよね。キャンセルが出るのに期待して」

可能性は低いけど。

「心当たりって水島さんの友達の店ですか?」

「うん……ここなんだけどね」

結衣は自分のノートパソコンの画面にホームページを表示させ、菅原も見られるよう横向きにした。

ふたり頭を突き合わすような形になりながら、画面を見ていると、パーティションの中に声かけもなく人が入って来た。

驚いて見遣ると、少し驚いた表情の遥人だった。

「……才賀君?」

「水島さん……それに菅原も」

遥人は外出先から戻って来たばかりのようだ。
結衣たちが打合せ席を使っているのを知らなかったのだろう。
それにしても、そこまで驚くなんて彼にしては珍しい。

「才賀さん、ここ使うんですか?」

菅原が腰を浮かせながら問う。

「ああ、悪い、使ってるの気づかなかった」

「大丈夫です。俺たち移動するんで使って下さい。水島さんパントリーの方で続きしましょう」

「そうだね」

遥人は大きな図面を手にしているから、打合せにテーブルは必要だ。結衣たちはどこでもできる話合いなので、譲るべきだ。

菅原に続いて立ち上がる。そのまま立ち去ろうとすると遥人が呼び止めた。

「菅原、水島さんとなんの打合せなんだ?」
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