求婚蜜夜~エリート御曹司は滾る愛を注ぎたい~
一番無難そうなディナーコースを頼み、ゆっくりと食事をした。
食後に打合せをするので、ふたりともアルコールは控えている。
その為、明るく会話をするのも一苦労だった。
(早く打ち合わせをしたいな)
平静を装うのも段々と疲れて来る。遥人の前で普通で居るのがこんなに大変になる日が来るなんて、以前は考えもしなかった。
気まずさを誤魔化すように水を飲む。
しばらくすると結衣の願いに答えるように、扉が開いた。
「お待たせ」
現れたのは三十才前後の長身の男性だった。
少し垂れ目の柔和な顔立ちをしている。外見的に似ているところはないが、彼が遥人の従兄だろうか。
「壮太。急に悪いな」
遥人が気安く答えたので、疑問は解消した。
壮太と呼ばれた彼は、空いている椅子に腰を下ろし結衣に目を向けた。