求婚蜜夜~エリート御曹司は滾る愛を注ぎたい~
「本当にすみません、場所を移って貰うなんて」
恐縮して頭を下げる結衣に、壮太は気楽そうに言う。
「気にしないで。うちの方は場所に拘りがある訳じゃないんだから」
「でも、移る場所があるんですか?」
「それはどうにでもなるよ。ホテルの部屋でもいいしね」
簡単に言うが、時期的にホテルの部屋なんて空いているのだろうか。
しかもかなりの大人数。部屋も特別なタイプになるだろう。
(でも連城家の人たちならコネがあるのかな)
遥人も壮太も困った様子はないし、従兄妹会とやらのメンバーも凄そうだ。
その後、細かい確認をして打合せは思ったよりも早く終了した。
メモを取り終えた壮太は、自分の肩を揉みながら言う。
「話してたら喉が渇いたな。ワインでも出すから飲んでいけよ」
「そうだな。水島さんは時間大丈夫?」
「うん、大丈夫だよ」
まだ九時半を過ぎたとろで、電車の時間にも余裕がある。
そのとき、結衣たちのやり取りを聞いていた壮太が予想外の発言をした。
「彼女と同じ会社ってのも楽しそうだな」
「えっ?」
結衣と遥人、同時に驚愕の声を上げる。
(か、彼女ってどうして?)
これまでの会話でそれらしい素振りは一切していない。気持ちは隠して打合せに集中していたはず。何を見て彼はそんな台詞を吐いたのだろう。
遥人も警戒したような低い声になる。
「急に、何言ってるんだよ。水島さんに失礼だろ?」
すると、壮太は怪訝な表情になった。
「失礼って、ふたりは付き合ってるんだろ? 前にプライベートで食事に来てたし、恋人って態度だったじゃないか」