求婚蜜夜~エリート御曹司は滾る愛を注ぎたい~
衝撃的な発言に結衣の頭の中は真っ白になった。

(な、なんで……)

初めて会う壮太が、なぜ過去のことを知っているのだろう。

(私が気付かなかっただけで、お店ですれ違ったりしていたのかな?)

いや、今はそんなことを考えている場合じゃない。

この場をどう対応するか。恐る恐る遥人の方を窺うと、彼は険しい顔をしている。

間違いなく不快感を持っていそうで、結衣はますます焦り壮太に言い募った。

「あの、何か誤解しているみたいです。才賀君と私はそんな関係じゃありません」

「え? ……でもあのとき……」

壮太は戸惑い結衣と遥人を交互に眺めていたが、
何か思うところがあったのか、結衣の言葉を受け入れた。

「ごめん、俺の勘違いだったみたいだ」

「いえ……」

壮太がしつこい人でなくて良かった。ほっとしながらも、依然として浮かない様子の遥人が気になる。

(壮太さんに私との関係を言われるのがショックなのかな。彼は覚えていない間のことだし)

遥人の心の中までは分からないけれど、とりあえず壮太の勘違いだったと結論したので、今の出来事はその内忘れてくれるだろう。
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