求婚蜜夜~エリート御曹司は滾る愛を注ぎたい~
「支障がない? そうは思わない」
「……思い出さなくても仕事でもプライベートでも問題ないと思うよ」
だって結衣と遥人の関係に痕跡は無かったのだ。ただ気持ちだけが大きくなり、いつまでも残っているだけ。
(才賀君は思い出した訳じゃないのだから……)
遥人は大きなため息を吐いた。
「そうだな。水島さんの言う通り、仕事では問題ないみたいだ。プライベートでも俺なりに調べたけど、水島さんがうちと関わっていた形跡はなかった」
「うん……」
改めて遥人の口から告げられる薄い関係に胸が痛む。
「でも気になるんだ。理由が有って知りたい訳じゃない、ただそう思うんだ」
「どうして……」
遥人は間髪入れずに答える。
「俺にとって大切なことだと思うから」
「え?」
「記憶がない期間に、水島さんをどうやって好きになって、どういう気持ちで告白したのかまだ何も思い出せていない。それなのに俺は今また水島さんに惹かれてる。どうしようもなく気になるんだ……だから無かったことにはしたくない」