求婚蜜夜~エリート御曹司は滾る愛を注ぎたい~

遥人は真摯な目で結衣を見つめている。

(何か言わなくちゃ……)

でもこの状況は結衣にとってあまりに突然の出来事で、言いたいことは沢山あるのに、上手く言葉が出て来ない。

焦る気持ちがばかりが募る中、遥人が少し緊張した様子で口を開いた。

「以前、俺は水島さんを好きになって告白して、それなのに全て忘れてしまった。本当に悪かった。ごめん……」

頭を下げる遥人に、結衣は思わず椅子から腰を浮かす。

「そんな風に謝らなくていいから! 才賀君は悪くないよ。わざと記憶を無くした訳じゃないんだから」

遥人はゆっくりと顔を上げる、結衣も浮かせていた腰を下ろす。

「あの……本当に才賀君が罪悪感を持つ必要はないからね」

少しでも彼の負い目を無くしたかった。けれど遥人は首を横にふる。

「不可抗力だったとしても、水島さんを傷つけた。気にしてないと言ってたのは俺を気遣った嘘だって分かってる」

「それは……でも、もう大丈夫だから」

遥人はいっそう辛そうに顔をしかめる。

「ごめん。すごく身勝手だって分かってるけど大丈夫だと言われるのは嫌なんだ」
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