求婚蜜夜~エリート御曹司は滾る愛を注ぎたい~

エレベーターホールからロビーを見渡すと、端の方に遥人の姿が有った。

「才賀君、お待たせ」

近付き声をかけると、遥人は笑顔で迎えてくれる。結衣と同じように仕事から離れてリラックスしているようだ。かなり機嫌がいい。

ふたり並んで正面出玄関ではなく、反対側の従業員出入口に向かう。

「高野から連絡が来た」

「早く来て欲しいって急かして来たんでしょう? 高野君はいつも才賀君を待ちわびているものね」

くすっと笑いながら言うと、遥人も苦笑いになる。

「七時前に店に入って欲しいって急かしては来たんだけど、高野が急な残業で遅れそうだからって理由」

「高野君が遅れるなんて珍しいね、初めてじゃない?」

彼はいつも幹事をしているのもあり、誰よりも早く店に入っている。そして楽しそうに皆を迎えるのだ。

「あいつふざけているけど、みんなの為に頑張ってるんだよな。毎回仕事も調整している。今日は余程のことが有ったんだろうな」

「高野君のおかげで私達はいつも気楽に楽しんでるんだよね。感謝しないと」

「そうだな」

どちらともなく早歩きになる。

従業員用出口を抜け早くも暗くなった外に出る。予約している居酒屋は駅とは反対方向だ。遥人と会話をしながらしばらく歩くと遥人が立ち止まった。
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