求婚蜜夜~エリート御曹司は滾る愛を注ぎたい~
自分でも驚くくらい感情的な叫びだった。
遥人の顔に驚きが広がる。だけど結衣ももういっぱいいっぱいだったのだ。
胸が痛くて遥人を気遣うことが出来ない。涙が溢れて制御出来なくなった。
「そんなの有り得ない……」
ここまで必死に耐えて来たつもりだった。誰よりも遥人が辛いのだから、揺らぐ感情をぶつけないようにと自身に言い聞かせて来たのに。
それなのに結局にこんなふうになってしまうなんて……。
(でも、もう限界)
「あの日……才賀君は私とも約束していたんだよ。ふたりで旅行に行こうって誘ってくれて……私は本当に楽しみにしていて……この部屋で迎えに来てくれるのを待っていたのに」
遥人が息を飲むのが伝わって来る。
「私に行けなくなったってメール一つもしないまま北桜さんと結婚の話をしようとしたの? それとも存在すら忘れてた?……そんなの信じられない。才賀君がそんな人だと思えない」
たしかな証拠が有ったとしても、信じたくない。
(私が好きになった人はそんな酷いことをしない)
「才賀君をずっと待ってた。でも連絡が取れないまま次の日になって私は振られたんだって気付いたけど……それでも心のどこかで何かの間違いだって、裏切るはずがないって信じてたのに!」
こんな風に自分の気持ちだけを一方的に訴えるのは初めてだった。言葉にすることでますます感情が高ぶり止められなくなる。涙が止まらず結衣はしゃくりあげながらテーブルに突っ伏した。
「ゆ、結衣!」