求婚蜜夜~エリート御曹司は滾る愛を注ぎたい~
「結衣……ごめん、大丈夫か?」
遥人が、心配そうに気遣いの言葉をかけてくる。結衣はそれに答える間もなく問い質した。
「どうして、黙ってたの?」
「勘のようなものだ。なぜか言っては駄目だと思ったんだ」
結衣は真っ赤に充血した目を瞬いた。
「彼女と旅行に行く約束をしていなかったのかもしれない……そう考えたから?」
遥人は直ぐに頷き肯定した。
「でも相手が結衣だとは考えなかった。付き合っていないのに泊まりで出かけるなんて有り得ないし、携帯にそれらしいやり取りも残っていなかったから。かといって一人旅は趣味じゃない。他にも気になる点がいくつかあったけど疑問は晴れないままだった……でもやっと全て繋がった気がする」
「全て?」
「車に旅行用の荷物を積んでいたのは、結衣と約束していたからだ。北桜さんと会った後に結衣のところへ行くつもりだったんだと思う」
遥人は何かを思い出した訳でもないのに、確信しているようだった。
「どうして分るの? 私との約束はキャンセルつもりだったかもしれないでしょう?」
「旅行用の荷物の他にもう一つ用意していたものがあるんだ」
「……それは何?」
「プレゼント」
「え?」
予想外の発言に結衣は首を傾げた。