求婚蜜夜~エリート御曹司は滾る愛を注ぎたい~

「高野が実家を出るなんて、意外だな」

結衣をはじめとした同期たちも同意して頷く。

彼は同期の中で実家大好き男として有名だった。

家が一番落ち着くし、母親の料理が最高と誰にも憚らず発言していた。

下手したらマザコンと言われそうだが、あまりに堂々していることと明るい人柄から、笑いのネタにされることはあってもマイナスイメージは持たれていない。

「俺は出たくなかったんだけど、親父に追い出されたんだよ。いい加減独り立ちしろって」

おかげで貧しい食生活になったと、高野は憮然として言い皆の笑いを誘った。

「はは。いい機会だから自分で作るようにしてみろよ。いずれ結婚したら必要になるだろ?」

「結婚したら嫁につくって貰うからいいんだよ。それより問題は今だよ。コンビニ飯にも飽きたし、遥人が作りに来てよ。料理好きだって言ってたじゃん」

「お前なあ、頼む相手が違うだろ?」

「いや違くない。俺には遥人しかない。知ってるだろ?」

皆がどっと笑った。実家大好き高野に恋人がいないのもまた周知の事実だからだ。
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