求婚蜜夜~エリート御曹司は滾る愛を注ぎたい~
「仕方ないな……」

遥人は呆れたように呟くと、不意に隣の結衣に視線を向けた。

「こう言ってるし、結衣も行かないか?」

「え、私?」

「ああ。来週結衣も現場に行くし、その時にでも」

遥人は結衣の予定を完全に把握しているようだった。それだけ結衣を気にしてくれているからだろうか。

密かに喜びを覚えながら頷こうとしたその時、亜実が不思議そうに首を傾げながら言った。

「才賀君、結衣のこと名前で呼んでたっけ?」

「あーそう言えば。それに“結衣も行かないか?”なんてやけに慣れなれしいな」

高野までが亜実に同調する。

どうしようかと内心焦っていると、亜実がはっとした様子で声を高くした。

「そう言えば以前の集まりのとき、ふたり一緒に遅れて来たよね?……もしかして、付き合ってるの?」

「え?」

(な、なんで突然こんな話に……)

高野が実家を追い出された話をしていたはずなのに。

それにしても、なんと返事をすればいいのだろう。

結衣は認めてしまっていいと思っているけれど、遥人はどう考えているのか……。

さり気なく横目で彼の様子を窺ったその時、遥人がふっと自然な表情で笑った。

「今更何言ってるんだよ。結構前から結衣って呼んでるけど?」
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