求婚蜜夜~エリート御曹司は滾る愛を注ぎたい~
「なんだー才賀君にもついに彼女が出来たと思ったのに」

亜実がつまらなそうに口を尖らす。遥人は苦笑いを浮かべて返す。

「それは高野に言ってくれ」

「高野君は彼女の前に親離れしないといけないからいいの。才賀君の方が気になる。イケメンなのにずっと独りだし。なんか理由があるの?」

亜実は結構酔っぱらっているようで、遠慮なく切り込む。

「特に理由なんてない。俺のことはいいだろ?」

「よくない、気になるし」

執拗な亜実にさすがの遥人もやや困り顔になったとき、高野がぐいっと入り込んで来た。

「遥人は彼女いたことあるぞ。結構前だけど」

「えっ、そうなの? いつ?」

亜実が目を見開く。周りでやり取りを眺めていた皆も驚いていた。そして結衣も。

(才賀君、彼女いたんだ)

同期で同じ部署だというのに全く気付かなかった。

以前はそこまで親しくなかったとはいえ、気配すら感じなかったのは、遥人があえて隠していたからだろうか。

結衣との件も明かす気はないようだし、秘密主義なのかもしれない。
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