求婚蜜夜~エリート御曹司は滾る愛を注ぎたい~
遥人は高野に笑顔で応え近付いて来る。

「ここ空けてあるから座れよ」

高野が嬉しそうに自分の右隣をポンポンと叩く。

遥人は誘われるがままそこに座った。

高野の正面が亜実。結衣はその隣に座っているけれど遥人とは反対の位置なので彼との間は開いており、ざわざわとした居酒屋では声が聞こえ辛い距離だ。

「なんだ元気そうじゃん! だったら早く連絡して来いよー」

「悪い。仕事が溜まっていてさ」

遥人は高野だけでなく、亜実や他の同期たちからも次々と声をかけられているので、結衣から声をかけられるタイミングはなかなか訪れない。

彼が結衣の方に視線を向けることもなかったので、目すら合わない状況だ。

少し残念だけれど彼が楽しそうにしているので、良かったとも思う。


遥人と話すのは諦め隣に座っている同期との会話を楽しむ。
近況報告や仕事の愚痴を言い合っているうちに、あっという間に時間が過ぎる。

レモンサワーを二杯飲み終えたところで「水島さん」と名前を呼ばれた。

遥人の声だと直ぐに気付き、視線を向ける。
彼は少し困った様子に見えた。
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