特殊護衛団の最強姫
そのときだった。
「ん....。」
聞こえてきたのは、とても小さなうめき声。
「ッおい!起きたのか!?」
俺は急いで女の枕元を覗き込む。
女はゆっくりとまぶたを持ち上げ眩しそうに目を細めたあと、これまたゆっくり俺と視線を合わせた。
しかし、まだ意識が覚醒しきっていないのだろう。
その目はひどくぼんやりとしている。
そのまましばらく見つめ合う時間が続いたあと、女は突然カッと目を見開き、上半身を勢いよく起こした。
「お、王子様!!ケガは!?」
「は...?」
1週間も目覚めず、やっと起きたと思った矢先。
なぜか真っ先に俺の心配をする女。
違うだろう。
死にかけていたのはお前だ。
思いもよらなかった事態に、俺は思わず間抜けな声を出してしまった。
そんなことは気にもとめず、女は俺の全身を見回して安心したようにホッと息をつく。
「良かった...無事だったんですね...。」
「ッ!」
心底安堵したその表情に、腹の底から何か熱いものが込み上げてきた。
「...お前が身を呈して護ってくれたのだから、俺は無事に決まっている。しかしお前は1週間も意識不明の重体だった。」
「1週間!そんなに眠っていたんですか!...ああ、だからこんなに体が重いのか。また訓練し直しだな...。」
「死にかけていたんだぞ。強い毒に侵されて、危うく命を落とすところだったんだ。」
「...?そのようですね。」
俺の言葉に、不思議そうに首を傾げる女。
自分の命にまるで頓着していないその様子に、俺はギリッと奥歯をかみ締める。
騎士だから。
主君のために命を投げ打つのは当たり前だとこいつは言うのだろう。
でも俺はそれが許せなかった。