特殊護衛団の最強姫
それから、1週間が経った。
女は奇跡的に一命を取り留めたものの、未だに意識は戻っていない。
運ばれた病院から城に戻って来ても、目を覚ますことはなかった。
しかし、この状態で生きているだけでも信じられないとテンは言う。
応急処置が良かったとはいえ、あの毒は人が耐えられるようなレベルではないらしい。
「そういえば、毒には少し強いと言っていた。」
「少し強いなんてものじゃないですね。抗体も無いのに、毒が体の中で分解されているんです。」
完全に研究者の顔になっているテンは、この1週間ずっとその事について調べているようだ。
しかし、その成果は何も無し。
後は女が目を覚ますのを待つしかないと言っていた。
「テンが、お前に聞きたいことが山ほどあると言っていたぞ。...もちろん俺もだ。早く目を覚ませ。」
眠る女の傍らに座り、その寝顔に声をかける。
俺は王子としての公務が無い時間は全て、毎日こうして女の様子を見に来るようにしていた。
しかし女は今日も目を覚ます気配が無い。
長い睫毛を伏せて眠る姿はどこか儚く、あの鬼神のような強さは幻かと思うほどだった。
「...俺はまだお前に礼も言っていない。父上も母上も、ひどく心配していたぞ。」
絹のような琥珀色の髪をふわりと掬い、軽く口づける。
女はやはりなんの反応も示さない。
「...また来る。ゆっくり休め。」
俺は小さくため息をついて、部屋を出ようと立ち上がった。