魔界レストランをバズらせます〜転生少女の立ち退き撤回奮闘記〜
半年の間に《レクエルド》を国で一番の有名店にすると宣言したのは私だ。
背負った以上、それなりの結果を出さなければならない。
従業員のふたりも信頼してくれている。
ケットは人間界にいる間、私がレストランの写真をアップにして作ったチラシを都市で配ってくれているし、ルキはアクセスの悪さを解消するために、城での仕事に加えて魔界仕様の交通手段を手配してくれているようだ。
せめて人員の確保くらいは仕事をやりきらないと。
その時、不意に肩を抱かれた。
そのまま力強く引き寄せられて隣へ倒れ込む。呆気なく膝の上に寝転んだまま見上げると、彼もまた、じっと私を見つめていた。
え?今、何が起こっている?
「ちょっと、まずいですよ!広場でこんなっ…!魔王様の膝で寝るなんて!」
「今の時間は人通りも少ない。見られて困るものでもないだろう」
「困りますよ!公衆の面前でいちゃいちゃしてるように思われたら、ルキを慕っている魔物達に殺されます」
「はっ、なんだそれは」
呆れたように軽く笑い飛ばされたが、こっちは本気だ。
ベンチで膝枕をしている男性がルキだと知られたら、すぐ噂が広まるかもしれない。私が魔王様をたぶらかして人間界に連れ立った噂の美女だと思われる可能性もある。
もちろん、どこにでもいそうな平凡な私は、美女だと言われるような容姿ではないのだが。