魔界レストランをバズらせます〜転生少女の立ち退き撤回奮闘記〜
名前を口にすると、彼は引き寄せられるように歩み寄った。
そして、ひどく混乱したように彼女を見つめる。
「レベッカ…、レベッカじゃないか…!本物なの?髪の色も顔も、俺の知っている君だ。夢みたいだよ。また会えるなんて」
ぴたりと声が止まった。
彼女の長い髪を解いて耳にかけたヴァルトさんは、微かに眉を寄せる。
「…首筋のホクロがない…」
無意識に漏れたような声。
戸惑うように見つめている。
その時、首筋をなぞられ微かに頰を染めた女性が、おずおずと口を開いた。
「私は、レティといいます。レベッカの孫です」
「孫…?」
ヴァルトさんは、数秒、理解が追いつかないように固まっていた。
その後、はっ!と彼女から手を離す。
「ごめんね、勝手に触れてしまった」
「い、いえ。大丈夫です」
ぎこちない空気。
こちらを振り返った彼は、動揺を必死に押し込めるように尋ねた。
「ミレーナちゃん。これは一体どういうこと?」
深々と頭を下げる私。
驚くヴァルトさんに経緯を説明した。
「すみません。どうしてもヴァルトさんの過去を聞いて放っておけなくて、ルキの力を借りて居場所を探してもらったんです。レティさんは、正真正銘、レベッカさんの血を引いたお孫さんです」