魔界レストランをバズらせます〜転生少女の立ち退き撤回奮闘記〜

私の言葉に、彼は再びレティさんへと視線を向ける。

彼女は、口元を綻ばせて後に続いた。


「ミレーナさんが“彼に会ってほしい”と、あなたの写真を持って家に来てくれたんです。祖母からヴァルトさんの写真を見せてもらったことがあって、姿が変わっていないのですぐにわかりました。祖母は、私に教えてくれたんです。彼は初めて好きになった人で、若い頃にストーカーから守ってくれた優しいヴァンパイアなんだって」


彼女の口から語られたことが信じられない様子のヴァルトさん。

レティさんの声がレストランに響く。


「祖母は、ヴァルトさんのお店に通うのをやめた後、あなたと言い争っていた男がストーカー容疑で逮捕されたことで全てを察して、怖がって逃げたことをとても後悔したと言っていました。でも、会いに行こうと思った時にお店はなくなっていて、ずっと心残りだったそうです」


レベッカさんは知っていたんだ。

雨の夜、一度も血を吸っていなかった彼が牙を剥いた理由が自分のためだったということを。


「また会おうとしてくれていたのか。…それなら、ずっと待っていればよかった」


後悔の残るセリフとは裏腹に、ヴァルトさんはわだかまりが解けたような表情を浮かべている。

見守る私たちも心が温まる。

やっと、過去のトラウマを乗りこえたんだ。


「レベッカは…?彼女はどうしているの?元気にやってる?」


穏やかに尋ねた彼。しかし、レティさんの顔は暗かった。

にこやかに首を傾げるヴァルトさんに、言い出し辛そうに答える。


「祖母は、私が幼いときに亡くなったんです」

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