少女不完全 刻



「薊花…動いたら、危ないから
じっとしててね?



このカッターナイフ切れ味抜群だから
下手したら死んじゃうかもしれないよ…?


大人しくね?騒いじゃダメだからね?

逃げ出そうなんて考えたら
僕、殺しちゃうかも…」


痛みに顔を歪ませながら
静かに涙を流す薊花


僕の名前が消えないように
何度も何度も同じ場所を
カッターナイフで……


垂れ落ちそうになる薊花の血を舐めながら
名前を刻んでいく


「これでいいかな…?

僕の薊花って印…」

僕の名前が刻まれた薊花の腕を見て
僕は頬笑む



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