少女不完全 刻
「じゃあ…
次は薊花が僕の腕に
薊花の名前を刻んでくれるかな?」
「っ……か…帰り…たい……」
と泣きながら言う薊花に
「帰すのは、名前を刻んでからだよ?
僕の言うことを聞かない悪い子には…
酷いことしちゃうかもっ」
何て少しだけ脅してみると
静かに僕の指示に従って
震える手で僕の腕に名前を刻み始める
「薊花、っ…
これぐらい強く力を入れてくれないと
薊花の名前が消えちゃう…
何なら、彫刻刀で彫ってもらおうかな?」
そう言った瞬間、
カッターナイフに力が入った
僕の腕からポタポタ床に落ちる血
薊花に舐めてもらいたかったな…
何て思いながら黙って薊花を見る
刻むのに必死な薊花…
可愛いな…