清廉で愛おしい泡沫の夏
お泊り会
 「おはよう、美夏。」
 「おはよう、美泡。」
 今日は土曜日なので学校は休み。
 「はい、どうぞ。」
 「ありがとう。」
 今日は、トーストに目玉焼き、ウインナーとサラダだ。
 美泡の作る料理は、いつもおいしそう!
 ていうか、ほんとにおいしい!
 うちの料理担当は美泡だ。
 美泡のごはんはいつも最高。
 料理以外の掃除、洗濯などは全部、私。
 2人暮らしには、ちょっと大きなこの家で、私たちは役割分担しながら、生活している。

 …ピンポーン

 朝食を食べ終わると、家のチャイムが鳴った。
 「あら、早かったわね。」
 「だれ?」
 「美夏、出てもらっていい?」
 「うん、いいけど…」
 …なんで誰が来たか言わないの?


 「…なんで…?」
 「あれ!美泡さんから聞いてないすか?」
 「…なにも。」
 「ま、とりあえず、おじゃましまーす!」
 ニコニコとやってきた琉は、普通に家に入っていく。
 もちろん、あと3人も。

 「いらっしゃい。」
 「美泡さん、こんにちは!」
 美泡は普通に受け入れている。
 「…美泡、、?」
 「あら、ごめんなさい、美夏。言ってなかったかしら。」
 う、嘘だ!
 私が驚くと思って黙ってたんだわ。
 もう、ほんと、美泡って、美泡ね。。。


 「…ねえ、荷物多くない?」
 美泡が、空いてる部屋にみんなを案内して、荷物を置かせていた。
 みんなが置いている荷物が、明らかに、多い。
 「そりゃ、そうだよ!だってお泊り会だもん!」
 お泊り会…?
 「えっ、泊まるの⁉」
 「…美泡ちゃん、ほんとに何も伝えなかったの?」
 「ふふっ。そっちのほうが面白いじゃない。」
 …美泡は知ってたのね。。
 もういいよ、、もうなにも驚かないよ。。。





 
 「ダウトー!!」
 「はぁっ!?」
 「あはっ!要は顔に出やすいねぇ。」
 お昼ご飯を食べ終わってから、私たちは、全員強制参加のトランプをしていた。
 一番強いのは、やっぱり美泡だ。
 いつも微笑んでいるからイメージはないだろうが、結構なポーカーフェイスだ。 
 それに加え、他人を遊び道具と見ている、お茶目なところのある美泡は、こういうゲームで負けることがない。
 さっき、ババ抜きもやったが、美泡の圧勝。
 もちろん、今のダウトも美泡が圧勝している。
 すでに一抜けだ。
 総も抜けてしまった。強いというより、要や琉の扱い方を心得ている、という感じだ。
 ちなみに今の要へのダウトで、私も終わり♪
 要も琉も素直なのはいいが、顔に出すぎだ。
 廉は顔には出ないが、運が悪いみたい。
 ちょっと意外ね、(笑

 ちなみにお昼ご飯は、流しそうめんだ。
 夏と言ったら、流しそうめんでしょ!と琉が言ったらしい。
 結構本格的な道具を持ってきた。
 午前中は、ずっとうちの庭で流しそうめんの準備。
 おなかいっぱいになったら、片づけをして、今の状態だ。
 今日の夜は、鍋らしい。…鍋が、夏っぽいのかわからないけど。。
 明日はスイカ割りだそうだ。大きなスイカを冷蔵庫に入れているのを見た。
 相当しっかりした計画と準備だ。
 いったいいつから計画を立てていたのかしら…
 そして美泡はいつから知っていたのかしら…
  












 














< 13 / 14 >

この作品をシェア

pagetop