結婚前提で頼む~一途な御曹司の強引な求愛~
「今までもこれからも仲良くできないもん。怒った顔しか見てないから、目の保養にもならない。榛名先輩は、私にとって恐怖対象でしかないの!」
「恐怖対象って」

かほが笑い、花凛がぱっと明るい顔になり提案してきた。

「そうだ。今度飲み会設定する? 大学ん時の男友達に声かけるからさあ。会社外で癒し作った方がいいんじゃない?」
「飲み会は、この四人でいい!」

私の宣言にかほが鋭く突っ込んだ。

「里乃子、枯れてる!そんなんじゃ老後はひとりだよ!」

そこで私以外の三人がわっと笑った。失礼だなあ!親しき仲にもなんとやらじゃないの?

「笑っちゃてごめんね。話戻すけど、里乃子が榛名先輩とやりづらくってストレスなら、異動願いを出すのも手じゃない?もともと、里乃子は総務だったんだから、急な人事だし、多少は聞いてくれそうだけど」

雅美がまあまあまともなことを言ってくれる。

「それも考えてはいるけど……」

私は言い渋り黙った。ここで投げ出すものなあ。だって、投げ出すより逃げ出すって感じになっちゃうし、いよいよどこの部署でももらってもらえなくなっちゃいそうだもん。

「もうちょっと頑張ってみるよ。みんなには愚痴聞き係してもらってすまん」

花凛がうんうんと頷き、メニューを私の前にどさっと置いてくれた。

「わかったよ!とにかく、飲んで食べな!」

その晩は、四人楽しく飲んで、私のストレスは多少なりとも軽減した……ような気はする。
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