慈愛のケモノ

えー、と口から出そうになった。頬あたりで耐えた。

「……なんか、うまく、携帯壊れたとか言っといて」
「無理でしょ、それはさすがにあたしからは言えないし!」
「ですよねー、じゃあテキトウに入れておいてください」

面倒くさいなあ、メッセージのグループとか。流れていく雑談を見たり、それに返信をする間もなく過ぎていく会話とか。
面倒くさいなあ……。

でも水本さんとお近づきになりたい真希を立てることにしよう。

階に止まったエレベーターに乗り込む。一階でおりて外に出た。

「琉花は彼氏欲しくないの?」
「そんなに欲しくはないかな」

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