慈愛のケモノ

通りかかった店員さんを呼んで、遠月さんは私の分も注文してくれた。
スマートかつ紳士的。
何で私はこの人と食事をすることになったんだっけ。

「遠月さんは今日外回りないんですか?」

とりあえず話をしてみなくては。
メニューを戻した遠月さんがこちらを向く。

「午後から。近くだけど」
「水本さんと課が違うってことは、エリアの管轄とかが違うんですか?」
「いや、うちのとこは扱ってるものが違う。琉花ちゃんは何が好きなの?」
「好き……え?」
「好きな食べ物とか」

あ、あれ、今私何の話してたっけ。

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