慈愛のケモノ

無邪気な笑顔が本当に可愛い。私でもそう思うのだから、男性陣がこれにやられてしまうのはよく分かる。

どっちも真希目当てだろうから、後は任せて適当なところで帰ろうっと。

「まじで? ありがとう」

声をかけてきた人も返事をする。ふと後ろにいた男性と目が合った。
目が合っただけだった。

すっと逸らされて、一人で気まずい思いをする。
いやまあ、見てしまった私も悪いけど。

行こう行こうと二人が先陣切って歩く隣で、腕を引っ張られて歩く。その後ろを男性がついてくる並びとなった。

店内が静かで少し空いている居酒屋に入ることが出来て、自己紹介をする。

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