慈愛のケモノ
駅まで一緒に歩いて、沿線が同じ真希と最終的に二人になった。
「琉花チャン琉花チャン、神様ってもしかしたらいるんじゃないかな? すっごいタイプなんだけど、めっちゃ良い人そうだし、話合うし!」
電車を待つ間、真希はずっとハイテンションだった。
「水本さん?」
「そう!! もしかして琉花も狙って……?」
「それは無いね」
「琉花のタイプってどんな人なの?」
そのまま真希の恋愛話になると思っていたので、急な方向転換にどきりとする。
「こんな人と付き合いたい! みたいなの、ないの?」
「えーどうだろ……私を一番に好きになってくれるなら、それで良いかな……」