強引な副社長の婚前指南~偽りの極甘同居が始まります~
「先方にアポを取って、今週末か来週早々にも名古屋に行ってこい。あ、そうだ。今回の出張には、副社長も同行するからそのつもりで」

「はい!? なんで八……じゃなくて、副社長が一緒に行くんですか?」
 
ふぅ、危ない危ない。思わず『八雲さん』と言ってしまうところだった。一緒に暮らし始めて半月、慣れというものは恐ろしい。
 
そんなことより、どうして八雲さんと一緒に名古屋へ行くことになったのか。その理由を何も聞かされないまま、八雲さんとふたりで出張に行くのは無理があるというもの。
 
きっと何かある。今日帰ってきたら、本人を問い詰めなくちゃ──。
 
この企画は絶対にものにして成功を収めたい。これは私が飛躍するための大チャンス、掴みそこねるわけにはいかない。
 
これから一週間が正念場、忙しくなりそうだ。
 
第二会議室の大きな窓から外を見ると、梅雨の開けた空は雲ひとつない晴天で。

今日も暑くなりそうだ──。

でもそんな事は言っていられないと拳を握り、誰にも見えないところでヨッシャと気合を入れた。




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