強引な副社長の婚前指南~偽りの極甘同居が始まります~
東海エリア随一の高層ホテルの四十五階にある、客室の前にひとり立つ。呼び鈴を押すのを躊躇っていると、ドアが突然音を立てて開いた。

「うわっ!」
 
驚いて後ろへと倒れそうになった身体を、その人が抱きかかえてくれた。

「芳奈って相変わらずバカなのな。少しは学習しろ。電話を掛けてきてから、どれだけ俺を待たせれば気が済むんだよ。ドアの前で、いつまで突っ立ってるんじゃない!」
 
いきなり罵詈雑言を浴びせられ、身体をしゅんと小さくさせる。

「ごめんなさい」
 
素直に謝ると、八雲さんは私から離れ客室の中に入っていった。私も彼のあとに続く。
 
電話で『この部屋に来い』と言われたから来たけれど、ここってスイートルームじゃない? 

ホテルの予約は八雲さんに任せてしまったけれど、私の部屋もスイートじゃないよね? 恐る恐る、聞いてみる。

「あの、八雲さん? 私の部屋は何階になりますか?」

「何階? 何階も何も、ここ」

「ここ? ここって……」


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