強引な副社長の婚前指南~偽りの極甘同居が始まります~
「すみません。もうとにかく美味しくて、言葉にするのももったいないくらいです」

「言葉にしなきゃ、伝わらないだろう。俺たちは、ここに何をしに来てるんだ?」

「そうでした。煌月さん、今日は昨日のリベンジをさせてください」

八雲さんに言われて背筋を伸ばすと、煌月さんと対峙する。昨日渡した企画書と同じものをバッグから取り出す。

「企画書は、見ていただけたでしょうか?」

「はい。拝見させてもらいました。正直、驚いたよ。いい企画書だと思う。今までにもチョコレートの監修や共同開発の話は他のメーカーさんからもきたんだけど、全部断ってきた」

「はい、聞いています。生涯、そういうものに参加するつもりはないと」
 
チョコレートは生きている──。
 
雑誌の取材にそう答えていた煌月さんの言葉に心打たれ、一年半前ここに来た日のことを思い出す。


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