今日、魔法使いに飼われました
美砂は薄暗く、様々な機械が置かれた場所へ連れて行かれた。どうやら舞台袖のようだ。司会者の声が響いている。

「さてお次は本日のオークションの目玉商品!!人間の女です!!」

「……へ?」

司会者の声に美砂はポカンとなる。人間?オークション?訳がわからない。

「行くぞ」

死神に引きずられるようにして美砂は明るい舞台に立たされる。光で一瞬目が眩んだ後に見えた世界は、美砂にとって信じがたいものだった。

客席には多くの人物がいて、みんな美砂を見つめて品定めをしている。しかし、その人物というものがキョンシーやゾンビ、ミイラなどおかしな格好の人ばかりなのだ。

「えっ?コスプレじゃないの?」

そんな美砂の呟きは無視され、死神の司会者が「さてこの人間はいくらで売られるのでしょうか?」と高らかに言う。美砂は「ちょっと待って!!」と叫んだ。

「オークションとか意味がわからない!こんなの犯罪だよ!私を今すぐ家に帰して!!」
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